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琵琶湖一周 狼煙駅伝と鎌刃(かまは)城跡を訪ねて

加藤 進 社会連携特任教授

 

 1123日(月)は"第14回近江中世城館琵琶湖一周のろし

駅伝"に行ってきました。まとめ役の泉会長に電話したとこ

ろ、米原の方が新幹線の駅まで迎えに来てくれました。さて

、車で林道を走ります。鎌刃城跡の説明です。まず、斜面を

登って行きます。なかなか険しいところで、道幅が狭いです

stickを準備する方が安全です。この坂をドンドン登って

行きます。すると中世城館には珍しい石垣の残骸が見えてき

ました。

   


石垣の残骸

水の手を取る滝です
ところで、鎌刃城跡は発掘調査の結果立派な石垣があったこ

とが証明されており、近世の城の模範ともなった山城です。

次の写真は南東の翼にある堀切です。かなりの深さです。往

時には簡単な板の橋でもかけてあり、戦争時にはこれを落と

して敵の進軍をかわしたことでしょう。このような堀切がこ

の翼には7か所あります。

これはその中の大きな堀切の一つです。下から撮っている

ので迫力が無いかもしれません。その下の写真は主郭に近

いところのやや平坦な道です。この道の先に主郭がありま

す。ところで主郭には虎口がつきものです。鎌刃城跡の虎

口は大部分の中世城館とは異なり石垣でできている頑丈な

作りです。この写真はインターネット上でよく見ることが

できます。


主郭の虎口(正面から)

虎口の下にある石垣
(近く埋め戻すtか?)

 この写真は主郭の一部で、発掘調査から台所的な、陶器等

が沢山検出された場所だそうです。stickが置いてある写真

は主郭にあった当時の建築物の礎石だそうです。

         


 このまま歩いて北郭(N:35178.秒、E:136188.4秒、標高370m)に行きます。ここには皆さんの手によって水

の手が復元されております。北郭にも大きな堀切を見ることができます。さてそろそろ時間です。西の方向にある沢和山

城(45km)から狼煙があがりました。目視ですが十分確認ができました。カメラで撮らえた瞬間です。当日は曇りで気

温も高く視界も悪かったですが肉眼ではっきりと確認できました。ちょうど10:00です。少しおいてから、地頭山城(2

3km
11:45)と一の城からも狼煙があがりました。みたところいずれの場所も発煙筒(白)を利用しているようです。地

頭山城跡からの狼煙もみてみましょう。

 
 風が少なく、上に揚がっている様子が良く観察できました。この貴重な経験から狼煙を観察する時間はほんの23

以内で十分ということがわかりました。つまり火床さえしっかり作れば、杉やヒノキ、松の生木を入れればいいわけです

。一の城からは12:05頃に目視でかろうじてみえる狼煙があがりました。鎌刃城跡から56kmあるのではないでしょうか

?現代人にはこのあたりが限界かも知れません。もっとも天候が良ければもっと明瞭に確認できると思います。

                        
最後の写真は鎌刃城跡から11:23頃にドラム缶を利用して作った狼煙台から狼煙をあげているところです。

 そろそろカシミール3Dの出番です。地理に疎いので、地名を参考に沢和山と日撫山の頂上を城跡として計算します。鎌

刃~沢和山、鎌刃~一の城ともに見通しは可能です。描かれているのは地図上の水平距離と断面図です。みごとにカシミ

ール3Dでシュミレートできます。鎌刃と一の城の相対位置です。

鎌刃~一の城の断面図と見通し

 協力していただいた「番場の歴史を知り明日を考える会」のみなさんありがとうございました。なお、鎌刃城跡の北郭

で頂いた豚汁と団子(ガンに効くとか!)は格別の味わいでした。
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